残業が多くなりがちな看護師

看護師は忙しくて残業が多いといったイメージがありますが、本当のところはどうなっているのでしょうか。日本看護協会が調査した結果によると、看護師の月平均残業時間は23.4時間でした。他の職種と比較するとそこまで多くはないようですが、実際には多くの看護師が定時で帰ることができず、目に見えない残業に悩まされています。

看護師の業務を圧迫しているのは患者対応だけではありません。特に時間が割かれるのが看護記録の作成です。また、始業時刻前の情報収集にも時間がかかります。緊急時の対応があれば、終業時刻を過ぎてからも仕事を続けなければなりません。慢性的に人手不足の職場がほとんどで、個々の負担が大きいといった課題もあります。

国は労働環境の改善に向けた働き方改革の導入を推し進めています。制度の導入により労働時間を客観的に計ることができるため、目に見えない残業が減ります。電子カルテやPDAの導入により業務負担も軽減できるでしょう。また、短時間制社員制度や夜勤専従制度を導入することで効率的に現場を回せるといったメリットもあります。

看護師は忙しく負担の大きい仕事です。そこで求められるのがワークライフバランスを維持する取り組みです。ワークライフバランスが悪化し、離職する看護師が増えると現場の負担はより大きくなってしまいます。そうならないよう、働きやすい環境を整えなければなりません。また、ワークライフバランスは健康リスクにも関係します。