働き方改革の導入によって看護師の労働環境にはどのような変化があるのでしょうか。まず、客観性のある労働時間の記録を行うために一部例外を除いて自己申告は認められなくなりました。時間外労働にも上限が定められるようになり、原則45時間、年360時間以内に収めなければなりません。特別な事情があった場合に限り36協定を結び、原則を超える時間外労働が可能になる点は以前と同じですが、これにも上限が定められています。特別な事情であっても年720時間以内、複数月平均80時間以内、休日労働含み月100時間以内に収めなければなりません。
また、年次有給休暇の取得も義務付けられています。年10日以上有給休暇が付与されている場合、労働者は年5日以上の有給休暇を消化しなければなりません。
働き方改革によって同一労働同一賃金も実施されます。同じ仕事や責任を担う者は雇用形態が異なる場合でも同様の賃金が支払われます。正規雇用か否かに関わらず、事業主は賃金に差が生まれないように支払わなければなりません。
また、勤務間インターバルの確保に向けた取り組みも進められています。日本看護協会では、次の勤務までに11時間以上のインターバルを確保することを推奨しています。働き方改革による義務化には至っていませんが、事業主の努力義務として設定されています。
実際に、現場の労働環境にも変化が見られています。まず、時間外労働の見直しが積極的に行われるようになりました。電子カルテやPDA端末を導入することで、看護記録の作成などの業務負担を軽減できます。その他にも、院内研修を労働時間内に行うケースが増えてきました。
人手不足による負担の増加を防ぐために、雇用している人材の離職を抑える取り組みも行われています。子育てなどを理由に現場を離れた看護師を積極的に受け入れ、働きやすい環境を整えています。多様な働き方を実現するために、短時間制社員制度や夜勤専従制度を導入する職場が増えてきました。
また、看護補助者の受け入れも行っています。働きやすい環境の整備も必要ですが、看護師の負担を直接的に減らす取り組みも求められます。そこで大きな効果が見込めるのが看護補助者の受け入れです。あらゆる角度から人材を確保し、現場に投入することで負担を軽減し、労働環境の改善を目指しています。今後もこういった取り組みは積極的に進められていくでしょう。その都度課題を発見し、働き方の見直しと実践を行う必要があります。
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