看護師の残業が多い理由としてまず挙げられるのが看護記録の作成です。受け持つ患者すべての看護記録を残す必要があり、看護計画が立てられた数だけ記します。患者指導をした際には患者の反応や理解度など、詳細な情報を記録として残さなければなりません。命に関わる状態変化があった際にも、順を追って詳細を記します。しかし、業務時間中は常に動き回っており看護記録を残す時間を割けないので、結果的に業務時間外に着手することになります。
また、始業時刻前の情報収集にも時間が割かれます。受け持つ患者の人数などによって異なる部分ですが、始業時刻前にカルテなどを見て情報収集した上で業務に取り組まなければなりません。患者が多ければその分確認しなければならない情報も多くなり、結果として始業時刻よりもかなり早めに出勤することになります。また、この作業を早出残業として認めていない職場も少なからず存在します。
医師の指示が終業時刻直前に出されるケースもあります。次に交代する看護師にスムーズに情報を引継ぐためにも、指示を受けた看護師がある程度の部分まで処理しなければなりません。例えば、18:00が終業時刻の職場で配薬内容の変更指示が17:50にあった場合、すぐに薬剤部への連絡や薬品の受け取りなどをしなければならず、これらの作業は当然ながら18:00までには終わりません。
緊急対応で定時に帰れないケースも少なくありません。患者の状態変化や緊急入院の対応があった場合、終業時刻直前だからといって放り出すことはできません。一連の対応が落ち着くまでは終業時刻後であっても仕事を続けます。患者をベッドに誘導し、バイタルサインをチェックした後、点滴などの処置を施し、服用している薬や患者の情報を集め、カルテに記入します。これらの対応を行うため、すぐには帰れません。
次に交代する看護師への引継ぎに時間がかかることもあります。引継ぎをする側、される側、どちらも時間を割いて情報の受け渡しを行うので、それが残業につながります。
また、人手不足によって個々の仕事量が増えてしまっているケースも考えられます。日本医療労働組合が2017年に行った調査によると、「1年前と比較して仕事量に変化はあったか」といった質問に対し、約6割の看護師が「増えた」と回答しています。慢性的な人手不足が原因で現場の看護師にかかる負担は年々増加しており、人材確保に向けた取り組みが求められています。
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なぜ看護師は残業が多くなるのか、その理由を知りましょう。看護記録の作成や患者の情報収集、終業時刻直前の指示、緊急対応、引継ぎ、人手不足など、あらゆる理由で定時退勤が難しくなってしまいます。